現在、新型コロナウイルスに感染しているかどうかを調べる検査として多く用いられているのが『PCR検査』と『抗原検査』です。
テレビや新聞、ネットなどで何度も目にしたことがあるこの2つの検査について、その違いをわかっているようで意外と勘違いしていたり混同している方も少なくありません。
ここでは、PCR検査と抗原検査について、目的や採取方法、価格などを解説していきます。
新型コロナウイルス『PCR検査』とは
新型コロナウイルスの『PCR検査』とは、ポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction)を略したもので、採取した検体の中に含まれるウイルスのDNA断片を特殊な装置で増幅して検出する方法です。
PCR検査でも抗原検査でも、検査には、主に咽頭ぬぐい液や鼻腔ぬぐい液などが使われます。
『PCR検査』は検体の中のウイルスのDNAを見つける方法なので、”現在、新型コロナウイルスに感染しているかどうか”をかなり正確に判定でき、確定診断に用いられています。
ただ、精度が高いという最大のメリットがある『PCR検査』ですが、実施できる医療機関が限られる・時間がかかる・検査費用が高い・医師による診断が必要などデメリットも少なくありませんでした。
しかし、最近では自宅で唾液を採取して郵送して医療機関で判定をしてもらえる『PCR検査キット』も登場し、よりスピーディーに『PCR検査』が受けられるように変わりつつあります。
新型コロナウイルス『抗原検査』とは
次に、PCR検査よりも一般的に薬局などで手に入れることができつ、新型コロナウイルスの『抗原検査』とは、ウイルスを構成しているタンパク質(抗原)を検出する方法です。
PCR検査でも抗原検査でも、検体は鼻腔ぬぐい液・咽頭ぬぐい液・唾液などが使われます。
『抗原検査』も、『PCR検査』と同じく、”現在、新型コロナウイルスに感染しているかどうか”をひとまず確認するのに有効な方法の1つです。
そのため、感染が疑われる症状が出た時、周囲に陽性者が出た時、旅行や出張やイベントなど出かける前の自己チェックになど、PCR検査と違い薬局などで購入し、調べたい時に手軽に短時間に確認できる市販の『新型コロナウイルス抗原検査キット』を自宅に用意している方も少なくありません。
ただ、無資格者や慣れない方がキットを使って自分で行う検査には、正しく検体を採取できない・正しく計測できないなどが原因で『偽陰性』を生み出すリスクが常に伴います。
また、質の悪い『研究用』の『抗原検査キット』も稀にあり、大きな社会問題となったことは記憶に新しいことでしょう。
そのため、厚生労働省では医療機関で使われていた『承認済み』の『抗原検査キット』を薬局で購入できるようにするなどの対応をとり、現在では『承認済み』・『研究用』の『抗原検査キット』どちらも購入できるようになっています。
PCR検査キットも抗原検査キットも、しっかりと精度のいいものを使うことでかんせんり
『PCR検査』と『抗原検査キット』の違い
PCR検査と、抗原検査の違いは紹介したようにいくつかありますが、違いをよりわかりやすいように表で解説していきます。
PCR検査はよく医療機関などの大きな期間でやるイメージがあり、抗原検査はセルフでやるイメージが
PCR検査 | 抗原検査キット | |
目的 | 現在、新型コロナウイルスに感染しているかどうか | |
主な検体 | 鼻腔ぬぐい液・咽頭ぬぐい液 | 鼻腔ぬぐい液・咽頭ぬぐい液・唾液 |
調べるもの | 新型コロナウイルスの遺伝子 | 新型コロナウイルスのタンパク質(抗原) |
調べ方 | ウイルスの遺伝子を特殊な方法で増幅させる | ウイルスの抗体を用いてウイルスが持つ特有のタンパク質(抗原)を検出する |
検査にかかる時間 | 数時間程度 | 15分程度 |
検査する場所 | 専用の機器がある場所・医療機関 | 自宅等 |
費用 | 行政検査:無料
自費診療:3万円~ |
キット1個当たり1,500円~4,000円程度 |
メリット | 精度が高い | 短時間・手軽・低コスト |
デメリット | 時間がかかる・自費の場合は費用が高額など | 偽陰性発生のおそれなど |
”現在、新型コロナウイルスに感染しているかどうか”を調べる目的では同じ『PCR検査』と『抗原検査キット』ですが、細かく見ると多くの違いがあります。
PCR検査でも、抗原検査でも、「自分が新型コロナウイルスにかかっているかどうか」「今までやこれからの行動の指針」になることは間違いありません。
未だ終息が見えず、冬場などに再発してしまうのを防ぐためにも、PCR検査や抗原検査を定期的に行い自分と自分の周りの人を守る行動をできるようにしましょう。