変異を繰り返す新型コロナウイルスの流行は今も世界規模で続いています。
しかし、現在は比較的重症化が少ないといわれるオミクロン株が流行していることを受けて、海外旅行・海外出張を再開する動きも活発化し、国を越えた人の往来も増えてきています。
そんな中、注意したいのが、日本からの渡航者・日本人に対する入国制限措置や入国に際しての条件・行動制限措置です。
各国・地域によって必要な検査証明の条件は異なるため、出張・旅行に際し、何を検査し何を準備すべきかわからないという人も少なくありません。
そこで、ここでは渡航に必要なPCR検査(陰性証明書)の取得方法や注意点について解説していきます。
国・地域によって渡航に必要な書類の条件は異なる
海外旅行・海外出張へ日本人が行く際、渡航先でPCR検査による陰性の証明書『陰性証明書』が求められる国・地域がほとんどです。
また、『陰性証明書』の有効期間も国・地域によって異なるので注意が必要です。
例えば、アメリカやハワイの場合、ワクチンパスポートの有無を問わず『陰性証明書』は必要であり、『陰性証明書』の有効期間も検体採取日時が出国前の1日以内と厳しい条件となっています。
一方、お隣の韓国もワクチンパスポートの有無を問わず『陰性証明書』は必要ですが検体採取日時が出国前の48時間以内、中国は要『陰性証明書』・検体採取日時が出国前の3日以内という条件となっています。
他方、ワクチンパスポート保有者ならば『陰性証明書』は不要としている国(アラブ首長国連邦)もあります。
(ただし、アラブ首長国連保でもワクチンパスポートを持っていない方は『陰性証明書』が必要であり、検体採取日時は出国前の48時間以内となっているのでご注意ください。)
また、イギリス・イタリアなどは『陰性証明書』は不要(条件付き)、インドネシアはワクチンパスポートを持っていない人は入国自体が不可・ワクチンパスポートを持っている場合は『陰性証明書』の検体採取日時が出国前の48時間以内としているなど、国・地域によって入国条件が全く異なります。
海外旅行に行く前に条件の確認と『陰性証明書』の発行準備を
現在、海外旅行・海外出張に行くならほぼ『陰性証明書』が必要であり、出発前にはPCR検査を受けなければならないと考えておいてよいでしょう。
ただし、出国前のPCR検査を受けるタイミング(『陰性証明書』の有効期限)に注意が必要です。
そのため、渡航前には、
- 渡航先の入国条件・必要な証明書を確認
- 『陰性証明書』の条件(有効期限)を確認する
- フライトスケジュールを考慮し、PCR検査を行う病院・クリニックを決めて予約する
- 予約した日に病院・クリニックで検査を行い『陰性証明書』を発行してもらう
『陰性証明書』に不備があったり、条件を満たさない場合、出国・入国できないなどのトラブルにつながり大変なことになるおそれがあります。
そのため、病院を選ぶ際は海外渡航に必要な『陰性証明書発行』の情報・実績が豊富な病院を選ぶことをおすすめします。
渡航に必要な 『陰性証明書』の取得方法
上記では病院での『陰性証明書』の取得方法を解説しましたが、『陰性証明書』の発行にはもう1つ方法があります。
それは、宅配検査キットを使って発行する方法です。宅配検査キットを使った『陰性証明書』の発行は、
- 指定のPCR検査キットを購入する
- 自身で検体(唾液など)を採取する
- 検体を郵送する
検査機関に検体が届き、検査が行われ結果が通知されるという流れとなっています。
ただし、その場で検査を受けて『陰性証明書』を発行してくれる病院・クリニックと異なり、宅配検査キットは検体の配送に時間がかかってしまうので、渡航先の『陰性証明書』の有効期限を確認してから利用するようにしましょう。
また、PCR検査料金と『陰性証明書』作成代金は別料金であるところ、医師の診断が必要な場合はオンライン診療料金が加算されるところもあるため、発行までにかかる総額を確認してから選ぶと安心です。
迷ったら無料で利用可能な『TeCOT』で確認 を
入国に必要な検査証明の条件は各国・地域によって異なります。何が必要かわからない場合は、厚生労働省と経済産業省が運営するセンター『TeCOT』を利用しましょう。
『TeCOT』では、渡航先の国ごとに定められた検査要件とそれに対応する検査が可能な医療機関の情報を確認し、比較することができます。そして、必要な検査ができる医療機関を24時間365日、オンラインで検索・予約が可能です。
利用方法も簡単。
渡航先の国名や出発日などの情報を入力するだけで、国ごとに定められている検査手法を確認できます。一般渡航者は『TeCOT』アカウントを取得し、ログインしてから希望日時・エリアを指定して、医療機関を検索・予約してください。
ビジネス目的の場合は、『gBiz』アカウントを取得しログイン、その後の流れは一般渡航者と同じです。
ただ、『TeCOT』の予約サービスの受付は2022年6月16日(木)・予約サービスの利用は2022年6月24日(金)で終了するのでご注意ください。
入国に必要な検査要件・それに対応する医療機関の検索・比較は引き続き利用できます。
新型コロナウイルス感染症に対する各国の対応策は流動的です。渡航を検討される際には、念のため、各国の在京大使館に確認する・ホームページ等で調べるなど最新の情報も自身で調べることも合わせて行うと安心です。