未知で脅威であった新型コロナウイルスについて少しずつ解明・治療法が見つかる中、すでに感染した人の間で大きな問題となっているのが新型コロナウイルスの後遺症です。
後遺症とは、病気の症状が治癒した後に心身に残る様々な症状のこと。
特に、新型コロナウイルスの後遺症は深刻なものもあり、罹患する前の日常生活に戻ることすらできないという人もいます。
新型コロナウイルスの後遺症の症状
新型コロナウイルスは、感染し発症すると発熱や倦怠感など様々な症状が出ますが、それらがある程度収まった後にも様々な症状がずっと出るケース(後遺症)があることが徐々にわかってきています。
その症状は、新型コロナウイルス感染症の症状がそのまま残るだけでなく、新しい症状が出現することも少なくありません。
具体的には、
- 頭痛
- 倦怠感や疲労感
- 記憶障害
- 思考力や集中力の低下
- 嗅覚異常
- 味覚異常
- 息苦しさ・呼吸困難感
- せき・たん
- 抜け毛
- 睡眠障害
- 筋力低下
などの症状が出ることがわかっています。中には、倦怠感がひどく寝たきりになる、記憶が飛ぶなど深刻なケースも。
ある論文によると後遺症には205の症状があるとの指摘もあり、人によって様々な症状が出るのが新型コロナウイルスの後遺症のおそろしい点です。
新新型コロナウイルスの後遺症の傾向
これまでに新型コロナウイルスの後遺症が出た人の傾向を見ると、
- 発症時の症状の軽重は無関係(無症状でも起こる)
- 比較的、若い世代のほうが出やすい(40代以下)
- 女性のほうが出やすい(男性の1.5倍程度)
- 若く体力がある人にも起こりうる
- 短期でおさまらない・長引く
新型コロナウイルスにかかり発症したものの、微熱程度で済んだという人にも後遺症は現れているので注意が必要です。
また、新型コロナウイルスにかかって重篤化しやすいのは高齢者や基礎疾患を持つ人であることがわかっていますが、後遺症に関しては半数以上が40代以下の若い世代であり、後遺症によって「仕事を続けられなくなった」「学校に行けなくなった」など大きな問題となっているケースも少なくありません。
ある調査によると、後遺症(疑いを含む)に悩む方の半数以上が、休職・時短や在宅・解雇や退職など労働に対する影響があったというデータも出ています。
新型コロナウイルスの後遺症の原因は? 「後遺症かも」と思ったら?
様々な形で現れる新型コロナウイルスの後遺症の原因として、
- 自己抗体
- ウイルスによる過剰な炎症(サイトカインストーム)
- ウイルスそのものによる障害
- 不十分な抗体による免疫応答
などが考えられていますが、残念ながら後遺症の原因は明確にはまだわかっていません。
このように、新型コロナウイルスは感染して発症した時の症状だけでなく、その後にも深刻な後遺症が現れる可能性もある、2段階で恐ろしいウイルスです。
特に、新型コロナウイルスの後遺症はQOL(Quality of Life=生活の質)を低下させるだけでなく、不安やストレスなどから精神的に追い詰められてしまう人も少なくありません。また、未だ後遺症の認知度が低いために周囲の理解を得られず、我慢をすることでさらに症状を悪化させてしまうケースもあります。
そのため、新型コロナウイルスに感染し治療を受けて症状がある程度おさまった後にも上記のような症状が続いた場合は、後遺症が重症化することもあるため早めにかかりつけ医・医療機関・保健所などに設置された公的な相談窓口等に相談しましょう。
現在、原因がわかっておらず、まだ確立された治療法がないので対症療法が中心となりますが、適切な治療を受けることで症状が軽減するケースも多いです。
今後、後遺症に対する研究が進んで効果的な治療法や薬が出る可能性も高いので、後遺症の症状を悪化させないように早めの治療・対策を取ることが重要です。
また、新型コロナウイルスの症状が出た状況からそのまま後遺症とみられる症状が続くため、症状が軽くなったからといって無理をせず次の2点も守るようにしましょう。
- 病み上がりは2か月程度は安静にする
- 睡眠・食事をしっかり摂る
新型コロナウイルスの症状が症状が治まったからといってすぐにそれ以前の日常に戻るのではなく、ゆっくりと体を慣らしていきましょう。
また、栄養バランスの取れた食事を摂り、睡眠時間も十分にとって自己免疫力を高めることも後遺症から身を守るための大事なポイントです。
恐ろしい後遺症からも身を守るため引き続き徹底した感染症対策を
新型コロナウイルスは、誰でもかかる可能性がある病気です。
しかも、感染・発症して新型コロナウイルス特有の症状が悪化して重篤化する人もいる中、ほとんど症状が出なかったり、軽いまま収まるなど人によって経過も様々です。
それと同様に、新型コロナウイルスの後遺症も、年齢・性別・発症時の症状・体力を問わず、様々な形で現れることがわかっています。
そのため、現在の変異種・オミクロン株を「症状が軽い」「重篤化しない」と軽視せず、引き続き三密回避・マスク着用・手指消毒などの感染症対策を続けましょう。
自分の身・大切な人の身を守れるかどうかは、自分の心がけ・行動次第です。
社会は規制の緩和の方向に大きく舵を切りましたが、引き続き警戒心を持って過ごしましょう。
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