世界中の人々に恐怖と不安をもたらした新型コロナウイルスですが、徐々に予防法や対策方法が確立され、現在は『ウィズコロナ(新型コロナウイルスとの共存・共生)』の一環として『ワクチン接種証明書』と共に『陰性証明書』が重視されるようになっています。
そこでここでは、最近耳にすることが多くなった新型コロナウイルスの『陰性証明書』について、発行する場所や掛かる料金、市販の新型コロナウイルス抗原検査キットで発行できるかどうかについて解説していきます。
『陰性証明書』とは
まず、『陰性証明書』とは、その名の通り、『現在、新型コロナウイルスに感染していません(陰性)』を証明する書類のことです。
体調不良や新型コロナウイルスに感染して会社を休んでいた方が職場復帰の際に会社から『陰性証明書』の提出を求められたり、イベント参加や帰省やお店を利用する際に『陰性証明書』の提示を求められるケースが増えています。
ただし、厚生労働省は、新型コロナウイルス陽性者が職場に復帰する際は医療保健関係者による健康状態の確認を経て行われるものであるため、『陰性証明書』等を提出する必要はない※1としています。
(出典:厚生労働省『感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第 18 条に規定する就業制限の解除に関する取扱いについて』)
このことは厚生労働省本省から各都道府県労働局にも通知されていますが、実際の現場では、他の方の安心のために提出を求められるケースも多いようです。
『陰性証明書』の発行は病院・クリニック等の医療機関
新型コロナウイルスに感染していないことを証明する『陰性証明書』を発行するのは、基本的に『新型コロナウイルス抗原検査』を行った病院・クリニック等の医療機関となります。
注意しておきたいのは、『陰性証明書』を発行するのはあくまでも個々の病院・クリニック等の医療機関であり、国や県などの自治体ではないということ。
そのため、新型コロナウイルス抗原検査の費用に加え、さらに『陰性証明書』の発行に別途費用が掛かり、その金額も病院・クリニック等の医療機関によって異なります。
ちなみに、『陰性証明書』の発行に掛かる手数料の相場は5,000円程度となっています。
また、病院・クリニックによっては新型コロナウイルスの抗原検査・PCR検査どちらも陰性の場合でも『陰性証明書』を発行するところもあれば、PCR検査のみ発行するところ、どちらの検査でも発行しないところもあるので、事前に確認をしておきましょう。
『新型コロナウイルス抗原検査キット』では『陰性証明書』を発行できない
新型コロナウイルス感染拡大を背景に、簡易かつ迅速に自宅等で個人的に抗原検査ができる研究用『抗原検査キット』が多く利用されるようになりました。
さらに、2021年9月からは医療機関でしか利用できなかった厚生労働省の承認済みの『抗原検査キット』も薬局で購入できるようになっています。
ただし、これらのキットは資格を持っていない個人が行うもののため、『研究用』『承認済み』のどちらの『抗原検査キット』を使って『陰性』であっても、その結果に対し病院・クリニック等の医療機関で『陰性証明書』を発行してもらうことはできません。
レアケースでは、『陰性証明書』発行をオプションで付けられる『PCR検査キット』をインターネットで取り扱っているクリニックもあります。
『陰性証明書』の有無に関わらず、き感染予防対策を
広く知られるようになった『陰性証明書』ですが、提出を求める側も発行してもらった側も注意しなければならないのは、『陰性証明書』は単に「検査した時点で陰性」であることを表すだけのものでしかないという点です。
例えば、新型コロナウイルス抗原検査で『陰性』と判断されたとしても、その直後に感染してしまっている可能性も決してゼロではありません。また、体内の新型コロナウイルス量がその時点では十分でなかったために陽性判定されなかっただけの『偽陰性』の可能性も考えれます。
そのため、医療機関で『陰性証明書』を有料で発行してもらい手に入れたとしても、本人も提出を要求した側も過信は禁物。『陰性証明書』は決して万能の”葵の御紋入りの印籠”ではないのです。
感染力の強い新型コロナウイルスには誰でも感染してしまうおそれがあります。引き続き、手洗い・うがい・手指消毒・3密の回避など感染を防ぐ対策を取るようにしましょう。
そして、大切な人にうつすことのないよう、定期的に新型コロナウイルス抗原検査キットを使ってチェックするようにするとさらに安心です。