今や不治の病ではないといわれているAIDS(後天性免疫不全症候群)。その原因となるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)は専用の検査を行なわなければ感染を見つけることができいない厄介なウイルスです。
AIDSの発症を抑えるためにも、HIVへの感染を可能な限り早く知り、すぐに適切な治療を行うことが欠かせません。
そこで、ここではHIV検査の期間や、その流れ・内容について順を追って解説していきます。
HIV検査とは?
HIV検査とは、AIDSの原因となるウイルスHIVに感染しているかどうかを調べる検査です。
HIVの感染によって体内で作られた抗体を検査する抗体検査が一般的ですが、HIVのたんぱく質を調べる抗原検査や、抗体と抗原を同時に調べる抗原抗体同時検査、より早く感染の有無を調べることができる核酸増幅検査(NAT検査)などの方法もあります。
無料で受けられる自治体・保健所のHIV検査のほか、専門の病院で有料で受けるHIV検査、郵送を使って有料で行うHIV検査、自宅で手軽にできるHIV検査キットなど、現在、HIV感染の有無を調べる方法はいくつも用意されています。
HIV検査を受ける時期は”その時”から4週間後~
HIVは、感染した後には発熱や悪寒などインフルエンザのような症状が起こることが分かっています。しかし、それらは自然に収まるため、HIVの感染に気付かずに済ませてしまう方が少なくありません。
当然、症状がおさまったからといってHIVが消えたわけではなく、体内でHIVは確実に増殖しています。静かにでも確実に体の免疫機能に大きなダメージをひっそりと与え続けているのがHIVの最も恐ろしい点といえるでしょう。
しかも、HIVは、感染初期に「ウインドウ期」と言われる、血液検査では感染がわからない時期があるのも厄介な点。
この時期にHIV検査を行っても検査結果は陰性となりやすく、そのまま見過ごしてしまうこともあるので注意が必要です。
そのため、「感染したかも」と心当たりがある時から数えて4週間ほどの間は、HIV検査を行っても偽陰性となるためHIV検査は控えましょう。
体内でHIVの抗体が検出される4週間以降に受けることがHIV早期発見・早期治療に欠かせません。
HIV検査の流れ
一般的に、HIV検査で用いられているのは、感染して4週間後頃から検出される血液中の抗体を検査する『抗体検査』です。
HIV検査では、まず感染の疑いのある人を早く発見し、早期の適切な治療や病気のコントロールにつなげるための検査『スクリーニング検査』が行われます。
『スクリーニング検査』で『陰性』であれば、HIVには感染していないと判定されます。
ここで陽性となった場合は、次の『確認検査』を行うことになります。
ちなみに『スクリーニング検査』で『陽性』となっても、HIV感染が確定されたわけではないのでご注意ください。
次の『確定検査』で『陽性』となれば『HIV感染』確定となり、『陰性』となった場合はHIVに感染していないと確定されます(スクリーニング検査の偽陽性)。
保健所・病院のHIV検査は当日検査も可能
「HIVに感染してしまったかも」と不安に思いながら過ごすことは多大なストレスです。そのため、ウインドウ期を過ぎたらすぐにHIV検査を行いましょう。それが、自分の現在・未来にとってプラスとなるだけでなく、周りの大切な人を危険にさらさらないために最もベストな行動です。
保健所や病院では、不安を長引かせることのないように『即日検査』を行っているところもあります。
『スクリーニング検査』で『陰性』の場合もその結果を知らせるのが1週間後となる『通常検査』だと、本来なら無用の不安を抱いてその間を過ごさなければなりません。
しかし、『即日検査』であれば、『スクリーニング検査』で『陰性』だったなら検査後30分程度で結果を教えてくれるので、心理的な負担・ストレスも大幅に軽減できます。
ちなみに、希望する検査施設が『即日検査』を行っているかどうかは検査施設に確認すればわかるので事前に電話やHP等でチェックしましょう。
[clink url=”https://www.d-market.jp/wellness_column-2/11559/”]