「まん延防止等重点措置」全面解除。私たちの生活にどんな変化が?

ピークアウト・出口が見えない日々が続いていた日本ですが、徐々に減少し始め、ようやく18都道府県の『まん延防止等重点措置』が解除されることに。

『まん延防止等重点措置』の解説と合わせて、その解除により私たちの生活にどのような変化があるのかを解説します。



『まん延防止等重点措置』とは

日本で初めて『緊急事態宣言』が発出されたのは2020年4月。未知のウイルスによる感染拡大を止めるためにやむをえないものでしたが、あまりに厳しすぎる内容のために経済が止まってしまうことが問題となりました。
その結果、その前段階で感染を防ぐための特別措置法として生まれたのが『まん延防止等重点措置』です。

『まん延防止等重点措置』は政府が定めるステージ3(感染者急増相当)で出され、知事が指定する市町村等の一部地域が対象となります。
感染者が急増している都道府県全体ではなく、その中の一部だけなので現実的にリスクが高いエリアだけをピンポイントで効果的にカバーできるのがポイント。
その制限の内容も各地方自治体によって異なるので、より柔軟な対策が可能です。
ただ、時短営業の要請はできますが休業要請・休業命令はできません。

『緊急事態宣言』に比べると『まん延防止等重点措置』は緩く効果は弱いものです。が、感染がこれ以上拡がる前に対象エリアを限定して経済的な損失を可能な限り抑える・人心のブレーキとなるといった効果・意味を持つ重要な措置といえます。

2021年3月21日に全面解除。私たちの生活にどんな変化が?

そんな『まん延防止等重点措置』が第六波(オミクロン株)でも各都道府県で出され延長されていましたが、徐々に感染者数が減少したことを受けて2021年3月21日に全面解除となりました。

私たちの生活には次のような変化があります。

大きな変化は飲食店

これまで営業時間や酒類の提供、利用人数などの制限が設けられていましたが、今後は3密回避・マスク着用・手指消毒などの対策をしっかり行った上で営業時間・酒類提供の制限がなくなることに。

観光・大規模イベント

例をあげれば、上野動物園では2ヶ月ぶりに23日から営業を再開し、25日から双子パンダのシャオシャオとレイレイの観覧がスタート。
各地のホテルでもコロナストレスを解消する豪華なプランやテーマパークやお祭り等と連動したプランを発表し、次々に予約が埋まっています。
他にも、人数制限のあった大規模イベントでもワクチン接種・検査の有無にかかわらず原則制限が撤廃となりました。
25日のプロ野球開幕戦では、3年ぶりに観客の人数制限を設けずに行われたDeNAベイスターズVS広島戦(横浜スタジアム)でプロ野球公式戦史上最多動員の32,436人を記録するなど早速賑わいを見せています。

一方、その他のイベントでは開催の有無や制限はイベント主催者の判断により異なるケースがあるのでご注意ください。

『まん延防止等重点措置』が解除されても引き続きお花見やお祭りを中止としているもの、一部のエリアの立ち入り禁止・酒類禁止・人数制限などの制限を設けた上で開催すものも。
イベントや観光を楽しむ際は事前に情報を確認しておきましょう。

『まん延防止等重点措置』解除でも引き続き感染症対策を

注意したいのが、この度次々に発出された『まん延防止等重点措置』が解除されたのは新規感染者数が激減したからではないこと。

新規感染者数は減少傾向にあるものの、依然として、家庭・高齢者施設や学校等においては感染が続いているため油断は禁物です。

しかも、現在、第六波を引き起こしたオミクロン株(BA.1型)と異なるオミクロン株(BA.2型)の拡大・置き換わりが懸念されているだけでなく、海外では第5波をもたらしたデルタ株とオミクロン株の両方の特徴を持つといわれる新たな変異種デルタクロン株の存在も確認されています。

人流の増加や送別、歓迎等の行事が増える年度末、さらにお花見シーズン、その先のゴールデンウイークなど気持ちが緩みがちになりやすい時期での『まん延防止等重点措置』の解除はリスクと背中合わせ。
今後、『まん延防止等重点措置』はもちろん、その上の『緊急事態宣言』を発令せざるを得ない状況を引き起こさないよう、ワクチン・抗原検査キット等を活用しつつ引き続き徹底した感染症対策を行いましょう。

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