徐々に感染者数は減少の気配を見せていましたが、2022年のゴールデンウイークは3年ぶりに行動制限のないものとなったことから、その終了後にコロナ感染の再拡大が懸念されています。
そんな中、これまで以上に活用を望まれているのが、新型コロナウイルス感染を早期に見つけられる抗原検査キット(定性)です。
そこで、ここでは抗原定性検査キットについて活用方法を解説していきます。
抗原検査キット(定性)とは
抗原検査キットとは、新型コロナウイルスの構成部分であるタンパク質(抗原)を検出する検査を簡易に行うことができるキットです。
抗原検査には、定性検査と定量検査の2種類がありますが、抗原検査キットで行うのは定性検査です。
定性検査は検体内に検体が一定量以上あれば判定できるため、有症状であれ無症状であれ、簡易かつ迅速、そして手軽に感染の有無を調べることができるというメリットがあります。
特に現在流行中のオミクロン株のような感染力の強いウイルスが流行しているタイミングでは、より早く感染を見つけることが拡大を防ぐカギ。
また、感染初期に軽症であっても、急速に症状が進行する場合があるので、感染早期の簡便で正確な診断が重要です。
そのため、抗原検査キット(定性)は有効な感染拡大防止策・重症化防止策の1つであるのは間違いありません。
抗原検査キット(定性)のデメリット・リスク
残念ながら、抗原検査(定量検査)やPCR検査と比べると低いというデメリットがあります。
抗原検査(定性検査)では、検体内の抗原が一定量以下であった場合、陽性であるのに陰性と判定される「偽陰性」のリスクがあります。
本来なら陽性と出るところが抗原検査キット(定性)の検査で陰性(検体内の抗原が一定量以下)となった理由として、
感染初期でまだ体内のウイルス量が少なかった(検査のタイミングが早かった)
検体の採取方法が不十分であった
などが考えられます。
また、抗原検査キット(定性)は誰でも手軽に使えるキットであるがゆえに、
検体採取方法が間違っていた
検査方法が間違っていた
などで、陽性であるのに抗原の存在を判定できず陰性と出てしまうケースも考えられます。
つまり、抗原検査キット(定性)は、簡易で便利であるけれども、必ずしも万能・完璧ではないということはあらかじめ知っておくべきでしょう。
抗原検査キット(定性)の有効な活用方法
簡易・手軽・迅速というメリットがある反面、検査の方法・タイミングによっては『偽陰性』となるリスクもある抗原検査キット(定性)ですが、そうであっても感染拡大を抑止するために有効な手段であることは変わりありません。
その活用方法として、
- 発熱・のどの痛み・咳など新型コロナウイルス感染を疑う症状が出た場合
- 家族や同居の人物などごく身近な人に新型コロナウイルス感染者が出た場合
など、自身の感染が疑われる場合の第一の検査として使いましょう。
周囲にうつす可能性があるかどうかをすぐに抗原検査キット(定性)で検査しておけば、その後の自身の行動(かかりつけ医にかかる、学校・会社への対応)もより慎重かつ適切に行うことができます。
また、
- 出張や旅行、イベントなどに出かける場合
- 高齢者や幼児など感染症弱者と会う場合
は、事前に自分が抗原検査キット(定性)で調べておくと、自分も相手も安心して会うことができます。
さらに、
不特定多数の人と会う仕事・職場で働いている場合(交通・教師・店員・病院・介護施設など)
は、定期的に抗原検査キット(定性)を使って健康チェックを行うことも有効です。
多くの人と会っている自分が知らない間にクラスターの発生要因となってしまうことを防ぐことができます。
他にも、
自身が基礎疾患がある・高齢者など感染症弱者である場合
家族に感染症弱者がいる場合
体調に変化がなくても、周囲に感染者が出ていなくても、抗原検査キット(定性)で定期的に調べることで、もし感染してしまった場合に重篤な症状に陥るリスクが高い自分や家族を守ることができます。
第二の防波堤・抗原検査キット(定性)を正しく有効に活用を
抗原検査キット(定性)は、自分を守るため、周囲の人を守るため、そして新型コロナウイルスのこれ以上の蔓延・拡大を防ぐための第二の防波堤です。
第一の防波堤は、言うまでもなく、三密回避・手指消毒・うがい・マスクの装着などの基本的な感染症対策を徹底すること。
そして、第二の防波堤である抗原検査キット(定性)を正しく機能させるために、
- 信頼できるメーカー・販売者のものを利用する
- 取扱説明書をよく読み、正しく使う
も徹底しましょう。
この第一・第二の防波堤を各々が常に心掛けて新型コロナウイルスと正しく戦っていけば、今は終わりのないように見えるコロナ禍の出口もきっと見えるようになってくるはずです。
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