新型コロナウイルスの変異種オミクロン株の亜種BA.5の感染拡大が止まりません。
2022年7月23日は初めて新規感染者数が20万人を超えるなど、夏休みシーズンに入った日本で急激に感染者が増えており、今後もさらに拡大するのでは?と危惧されています。
感染力が1.4倍?オミクロン株BA.5とは
BA.5とは、オミクロン株のBA.2の一部のスパイクタンパク質が変異して生まれたものです。
2022年2月に南アフリカで初めて検出されるとあっという間に感染が拡大し、日本でも8月初旬にはほぼ置き換わるのでは?といわれています。
このことからわかるように、オミクロン株の亜種には最初に流行したBA.1やその次に置き換わったBA.2がありますが、同じ亜種でもBA.5はそれら以上に高い感染力があります。日本での調査によると、BA.5株の感染力はBA.2株の1.4倍という報告も。
また、オミクロン株の潜伏期間の中央値は2.9日(95%信頼区間:2.5-3.2)ですが、BA.5は発症までがさらに短くなっているという報告もあります。最短では感染推定日の翌日に発症したというケースも報告されています。
免疫をすり抜ける?BA.5の免疫回避
BA.5の特徴は、感染力が強く早いだけではありません。
ワクチン接種や過去の感染で得た免疫をすり抜ける力が高いという特徴もあげられます。
BA.5はワクチン接種や過去の感染によって得た免疫をよける免疫回避の特徴がより強まっているとのハーバード大学などの研究報告や、ワクチン3回接種した人の血液を分析したところBA.5はBA.2と比べて感染を防ぐ「中和抗体」の効果が4分の1以下になったという米コロンビア大などのチームの調査結果がでています。
とはいってもワクチン接種に意味がないわけではありません。重症化を防ぐ一定の効果はあると考えられているので、高齢者や基礎疾患のある方は追加の接種をすることをおすすめします。
ただ、安心なことに重症化についてはこれまでのBA.1・BA.2とそれほど変わりはないとみられています。WHOも6月22日の週報で重症化リスクについて「BA.1と比べて変化しているという情報はない」としています。
しかし、動物実験における検証結果で肺で増殖しやすいなどの報告もあるため今後も警戒は必要です。
BA.1とは異なるBA.5の主な症状
BA.5による症状は次のようなものがあります(出典:フランス公衆衛生局発表資料)。
- 倦怠感
- 咳
- 発熱
- 頭痛
- 筋肉痛
- 鼻水
- のどの痛み
- 味覚消失
- 吐き気
- 下痢 など
特に注意したいのが、BA.1と比べてBA.5は鼻水・のどの痛み・味覚消失・吐き気・下痢の症状を訴える人が増加しているという点です。
また、倦怠感が強く出る・38度以上の熱が出るという報告も。
しかも、これらの症状の持続期間の中央値は7日間であり、4日であったBA.1と比べると症状が長引く傾向も強いようです。
感染力の強いオミクロン株BA.5に感染しないために
日本国内でもBA.2から急激に置き換わっているBA.5は、現在のところ、”感染力は強く早いものの毒性はそれほど強くない”と考えられています。
そうはいっても、油断は禁物。
新型コロナウイルス・オミクロン株はかかっても軽症・無症状で済む場合もありますが、治癒後に無症状であってもコロナ後遺症が出るケースもあるため、掛からないに越したことはありません。
そこでこれまでと同じように感染症対策を徹底して行いましょう
- 3密回避
- マスク着用
- 手指消毒・うがい
- 毎日の体温チェック
- 室内のアルコール消毒
- 換気の徹底
- 会食時は少人数で短時間に
- 高齢者・基礎疾患のある方は追加のワクチン接種
特に夏場に意識して行いたいのが空気の換気です。
エアコンをつけているとどうしても部屋の換気がおろそかになりがちなので定期的に行うようにしましょう。
また、体調に異変を少しでも感じたらすぐに適切な対応を取るようにしてください。
開放的な気分になる夏ですが、すぐそばにBA.5は迫ってきています。
常に気を抜かずに徹底した感染症対策を行い、楽しく安全な夏休みをお過ごしください。
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