手軽に誰でも新型コロナウイルス感染の有無を調べることができるとして、市販されている「抗原検査キット」。
現在は医療機関でしか使用が出来ない「医療用抗原定性検査キット」について、大きな変更が行われました。
”「医療用抗原定性検査キット」が、通販で買えるようになる!”こと。
[speech_balloon_left2 user_image_url=”https://www.d-market.jp/wp-content/themes/ego_woocommerce_tcd079/img/no-avatar.png” user_name=””]薬局で簡単に買えるようになる![/speech_balloon_left2]
と思っている人も多いですが、少し違います。
どんなふうに変化し、どんなふうに買えるようになるのかを解説しましょう。
「医療用抗原定性検査キット」取り扱いの遷移
新型コロナウイルス抗原定性検査キットには2種類あります。
- 「研究用抗原定性検査キット」:研究用(国の承認を受けていないもの)の抗原定性検査キット
- 「医療用抗原定性検査キット」:国が承認した「体外診断用医薬品」。医薬品医療機器等法に基づく承認を受けた抗原定性検査キット
国からの承認を受けていない「研究用抗原定性検査キット」は、ドラッグストアや雑貨店やインターネットなどで手軽に購入できるというメリットがある反面、精度・正確性など品質について問題がある可能性があるという大きなデメリットも。
そのため、これまで政府・自治体等は新型コロナウイルス感染の有無を調べる際は「研究用抗原定性検査キット」ではなく「医療用抗原定性検査キット」を使用するよう積極的にアナウンスしていました。
しかし、推奨されている「医療用抗原定性検査キット」にも1つの問題が・・・。
「医療用抗原定性検査キット」は、もともと病院などの医療現場でのみ使用されるもの。
2021年9月27日以降、特例として一般の人が購入しやすいように薬局での販売が認められたのですが、その購入には、薬剤師の説明や購入者の確認書への署名(のちに廃止)などが必要であったため、
[speech_balloon_left1 user_image_url=”https://www.d-market.jp/wp-content/themes/ego_woocommerce_tcd079/img/no-avatar.png” user_name=””]薬局が営業していない休日や祝日、夜間・早朝などの営業時間外には購入できない[/speech_balloon_left1]
[speech_balloon_left1 user_image_url=”https://www.d-market.jp/wp-content/themes/ego_woocommerce_tcd079/img/no-avatar.png” user_name=””]体調不良の時でも薬局まで外出しなければならないの?[/speech_balloon_left1]
[speech_balloon_left1 user_image_url=”https://www.d-market.jp/wp-content/themes/ego_woocommerce_tcd079/img/no-avatar.png” user_name=””]外出すらできない状況の時には購入できない[/speech_balloon_left1]
などの問題点があり、「いざというときにすぐ購入できない」「感染のおそれがあるのに外出するのはリスクが高いのでは?」などの不安の声が上がっていました。
それを受けて、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会は2022年8月17日に「医療用抗原定性検査キット」を一般用医薬品(OTC)の「第1類医薬品」として販売することを決定しました。
「医療用抗原定性検査キット」一般用医薬品(OTC)化のメリット
今回、これまで特例で薬局窓口でのみ購入が可能とされていた「医療用抗原定性検査キット」をOTC化・「第1類医薬品」に分類することで変わる最も大きな点は、インターネットなどの通販で購入できるようになることです。
OTCとは…
『Over The Counter(医師による処方箋を必要とせずに購入できる医薬品)』のこと。
「第1類医薬品」とは…
・薬剤師が販売
・年齢、他の医薬品の使用状況等について、薬剤師が確認
・適正に使用されると認められる場合を除き、薬剤師が情報提供した上でオンライン販売が可能
OTC化により、休日や早朝・夜間でも「医療用抗原定性検査キット」を容易に購入できるようになるだけでなく、体調がすぐれない時や事情があって外出することができない状況でも「医療用抗原定性検査キット」をオンラインで購入し在宅のまま入手することができるようになるのが最大のメリットです。
仮に感染していた場合には適切な対応をより迅速にできるようになる上に、パンク寸前と危惧されている発熱外来の混雑緩和なども期待できるのでは?と考えられています。
要注意!「医療用抗原定性検査キット」オンライン購入は薬剤師による販売が必要
ただし、OTC化によってオンラインで購入できるようになったとはいえ、「医療用抗原定性検査キット」をサプリや食品のように無条件で購入できるわけではありません。
「医療用抗原定性検査キット」は第1類医薬品に区分されているため、購入の際には薬局窓口と同じようにウェブサイトやメールなどで薬剤師の説明・確認を受ける必要があります。
具体的には、オンラインで検査キットの説明や検査の実施方法、判定に対する注意などについて設けられたチェック項目への回答、利用者が確実に理解したことの確認などをした上での販売となると見込まれています。
また、「医療用抗原定性検査キット」は検査しておしまい、ではありません。
▼陽性であった場合
・お住まいの自治体の案内に従って受診をスムーズに行うための説明
▼陰性であった場合
・「偽陰性」の可能性を考慮して外出をなるべく控える
・外出する際は混雑する時間を避ける
・手指消毒やマスク着用の徹底などの感染を広げないための行動を行う
などの説明を購入の際に薬剤師から受けることになるとされています。
[clink url=”https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27545.html”]
8月中にも実店舗をもつ薬局でオンライン販売解禁の見込み
「医療用抗原検査キット」について、8月24日のオンライン形式の取材で岸田首相は「症状の軽い方々への対応のため、どこでも検査キットが手に入るよう、8月中に検査キットをOTC化する」としています。
医療用医薬品と一般用医薬品の比較について(厚生労働省サイト)
[clink url=”https://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/09/s0906-6c.html”]
医療用医薬品・要指導医薬品・一般用医薬品(中外製薬サイト)
[clink url=”https://www.chugai-pharm.co.jp/ptn/medicine/hospital/hospital005.html”]
すでに、同日に厚生労働省はスイス製薬大手ロシュの「医療用抗原検査キット」をインターネット販売も可能な一般用医薬品(OTC)として承認しており、今後も購入できるキットは増えていく見込みです。
また、厚労省によると「医療用抗原検査キット」をネット販売できるのは、薬剤師が関与できる実店舗をもつ薬局などに限られるとしています。
新型コロナウイルス感染拡大がなかなか収まらない今、OTC化(第1類医薬品)による「医療用抗原定性検査キット」のオンライン販売は感染拡大防止のために非常に有益な方策の1つとされています。
[clink url=”https://www.d-market.jp/wellness_column-2/14234/”]