2022年の夏に長く続いた新型コロナウイルス・オミクロン株の流行(第七波)もようやく収束の気配を見せつつある中、政府が行う観光需要喚起策の全国旅行支援も10月11日からスタートし、全国的ににぎわいを取り戻しつつあります。
ただ、人の行き来が活発になるのは日本経済の活性化のために必要であると理解する反面、人流増加による新たな新型コロナウイルスの流行や、冬季のインフルエンザとの同時流行を心配する人も多く、既に受付が始まっている4回目のワクチン接種を検討する人が増えています。
4回目接種対象者は3回目接種後5カ月以上経過した12歳以上の人
4回目接種対象者は、3回目接種後5カ月以上経過した12歳以上の人
新型コロナワクチンの4回目接種の対象は、3回目接種又はそれに相当する接種から5か月以上が経過した人で、12歳以上の人が接種対象者となります。
今回接種するのは、初期の新型コロナウイルスと変異ウイルスのオミクロンBA.1のどちらにも効果が出るように改良した新しいオミクロン対応改良型ワクチン(2価ワクチン)です。
ちなみに、オミクロン株対応2価ワクチンはファイザー社製とモデルナ社製があり、ファイザー社製のワクチンは12歳以上、モデルナ社製のワクチンは18歳以上が対象となるのでご注意ください。
接種期間は、2022年9月20日から2023年3月31日までとなります。
また、これまでと同じく、接種は全額公費で行うため無料で受けることができます。
4回目ワクチン接種時の持ち物・接種場所
ワクチン4回目の接種時に必要なものはこれまでと同じです。
- 市町村から届いた接種券・予診票
(接種券が届いていない場合は「コロナワクチンナビ」の追加接種(3回目・4回目接種)用の接種券発行申請(新型コロナウイルス感染症)で接種券の発行を申請) - 本人確認書類(運転免許証・健康保険証など)
- お薬手帳(基礎疾患・持病をお持ちの方)
が必要です。
4回目のワクチン接種場所は、原則として、住民票所在地の市町村(住所地)の医療機関や接種会場となります。
ワクチン接種ができる医療機関や接種会場は接種総合案内サイト「コロナワクチンナビ」やお住まいの市町村からの広報等で確認してください。
新型コロナのワクチンを接種する際は、体調や、ワクチン接種によるメリットと合わせて副反応・副作用のリスクについても改めて理解しておきましょう。
同時流行の可能性大。インフルエンザワクチンとの同時接種は可能?
この冬、新たな新型コロナウイルスの変異株の出現も予測される中、特に懸念されているのが新型コロナと冬季のインフルエンザの同時流行です。
- 日本の流行予測の参考となる南半球オーストラリアでこの夏にインフルエンザの大流行が起こった
- ここ数年インフルエンザの流行がなかったことから集団免疫が低下している
- 入国制限の緩和により、海外から新型コロナウイルスだけでなくインフルエンザウイルスが流入しやすい状況になっている
この3つの状況から今年の冬に国内でも新型コロナウイルスと季節性インフルエンザが同時流行する可能性が「極めて高い」と厚生労働省の専門家会合でも示されています。
どちらも感染初期に高熱や倦怠感など現れる症状が似ているため、同時流行した場合は更なる医療現場の混乱・混雑が起こるのは必至。その結果、医療崩壊が起こる可能性も否定できません。
そんな危機的状況に陥るのを回避するため、新型コロナウイルスの4回目のワクチン接種と合わせてインフルエンザの予防接種の両方を行うことを専門家・政府は推奨しています。
それにあわせて、従来は新型コロナのワクチンとインフルエンザワクチンの接種期間を13日以上あける必要がありましたが、今シーズンからは同時接種が可能となっています。
ただ、気になるのが、別々のワクチンを同時期に接種した時に起こるリスクです。
その点に関しては、既に海外の治験で両ワクチンの同時接種の安全性が確認されており、各ワクチンを単独で接種した場合と比較してもその有効性および安全性が劣らないとの報告が上がっています。
ただ、インフルエンザの予防接種は、接種を受けてから体内で抗体がつくられ効果が出始めるのに2週間程度かかり、その効果も5か月程度といわれているため、インフルエンザの流行に備えて予防接種を打つ場合はタイミングが重要となります。
そのため、新型コロナウイルスの4回目接種とインフルエンザの予防接種を受ける時期については感染状況も踏まえて慎重に判断したほうがよいでしょう。
また、ワクチン接種と合わせて、手指消毒・うがいなど引き続き徹底した感染症対策を行うことも重要です。
ワクチンを接種したからといって防御を緩めず、新型コロナとインフルエンザのどちらに感染しないよう最大限の注意を払って自分や周囲の人の健康・安全を守っていきましょう。