2種類の抗原検査とは?精度と手軽さをチェック

現在、新型コロナウイルスの感染の有無を簡単に調べる方法として用いられているのがPCR検査と抗原検査です。

特に私たちにとって身近な存在であるのが、誰でもすぐに使える市販の抗原検査キット。
抗原検査キットを使えば、体内にあるウイルスを特徴づけるたんぱく質を測定し、「今体内に新型コロナウイルスがいるかどうか」をすぐに調べることができます。

実は、抗原検査には2種類あることをご存知でしょうか?そこでここでは、「知っておくと便利かもしれない2つの抗原検査」について特徴や違い、メリット・デメリットを解説していきます。



抗原検査とは


抗原検査とは、新型コロナウイルスを特徴づけるタンパク質(抗原)の有無を体液(鼻咽頭ぬぐい液や唾液など)から調べる検査です。
PCR検査が新型コロナウイルスを特徴づける遺伝子配列を検査するのに比べ、抗原検査は手軽かつ短時間で現在の感染の有無を調べることができます。

精度に関していえばPCR検査のほうが抗原検査よりも高いといわれていますが、現在、すぐにPCR検査を誰もが受けられるわけではありません
そのため、急な発熱やだるさなど新型コロナウイルスの感染を疑う症状が出た場合、また、大事な会議の前や県をまたいだ外出など自身の感染の有無を調べたい時などに市販の抗原検査キットが用いられています。

抗原検査には2種類ある


PCR検査よりも身近な抗原検査ですが、抗原検査には『定性検査(Qualitative test)』と『定量検査(Quantitative test )』の2種類があることはあまり知られていません。

抗原検査の『定性検査』は抗原の有無を調べるものです。
一方の『定量検査』は抗原の量を測定する検査です。
「あるかないか」を調べる『定性検査』に比べ、「どれだけあるか」を調べる『定量検査』は測定するために専用の大型の機器が必要となります。

2つの抗原検査の特徴をまとめると以下のようになります。

抗原検査『定性検査』 抗原検査 『定量検査』
調べる目的 現在の感染の有無
調べるもの 抗原があるかないか 抗原がどれくらいあるか
検体 鼻咽頭ぬぐい液・唾液・喀痰
調べる場所 検体を採取した場所 専用の検査装置がある場所(検査機関)
検査にかかる時間 5分~20分程度 数日(検査機関へ検体を送付しなければならないため)
精度 50~90% (注1) PCR検査より少し落ちるものの精度は十分(注2)

抗原検査キット活用の推奨は、内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室のYouTubeでも解説しています。

(注1:参考文献 https://www.youtube.com/watch?v=shvyzsbWkAg

『定性検査』『定量検査』のメリット・デメリット


抗原があるかないかだけを調べればよい『定性検査』は、簡単なキットで調べることができるという大きなメリットがあります。
しかし、検出には一定以上の抗原が必要となるため、感染直後などまだ量が少ない場合には取りこぼしてしまうリスクも。

一方、『定量検査』は抗原の量を調べる検査なので、『定性検査』とくらべると精度が上がるのが最大のメリットです。
しかし、検査のためには専用の特殊な機器が必要となるので、その場ですぐに判定することができず、発見・対策が遅くなるリスクがあります。

メリット デメリット(リスク)
抗原検査『定性検査』 ・検査時間が短い
・すぐに調べられる
・検査をするのに特殊な技術は不要
・低コスト
・抗原量が少ないと見逃すおそれがある
抗原検査『定量検査』 ・精度が高い ・自分で調べられない
・特殊な測定機器が必要
・結果を知るまでに時間がかかる

 

市販の抗原検査キットは『定性検査』


現在、私たちが利用している市販の抗原検査キットは研究用の『定性検査』です。

精度の面では残念ながら抗原検査の『定量検査』に劣るといわれていますが、発症2日~9日の間の検査で高い精度があり、自宅で簡単・低コストで検査できるため、正しい使い方をすることで早期に感染を発見し、感染拡大を防ぐ効果は十分期待できます。

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